動画制作の過程で重要な要素の一つにアスペクト比の選定があります。アスペクト比とは、映像の幅と高さの比率のことで、これが視聴者に与える映像体験に大きな影響を与えます。動画が表示されるデバイスのフォーマットに依存するため、動画制作の初期段階、特に企画立案の際にターゲットオーディエンスの選定と合わせて慎重に決定する必要があります。
タテが流行りとか、そういう話しではない。
どのアスペクト比を選ぶかは、視聴者がどのようなデバイスを使って映像を見るかに大きく依存します。例えば、スマートフォンでの視聴を想定している場合、縦長のアスペクト比が適しています。一方で、テレビや映画館での上映を目指す場合は、より広い画面に適したワイドなアスペクト比が望ましいでしょう。このように、アスペクト比の選定はターゲットオーディエンスとその視聴環境を考慮した上で行うことが、効果的な動画制作には不可欠です。
この記事では、動画制作におけるアスペクト比の重要性と、それをどのように選定するかについて、具体的な例と共に詳しく解説していきます。視聴者の視聴環境を考慮し、最適な映像体験を提供するためのアスペクト比の選び方を学びましょう。
16:9(ワイドスクリーン)
- 現在の主流規格。モニタ、テレビ、YouTube、スマホ(横)などで広く使用されています。
- 生配信、テレビ番組、YouTube動画など幅広く使われる。そのまま現在のスマホ、テレビ、モニタ等の規格にジャストフィットするので生配信から収録まで幅広く使える。
3:2
- フィルム写真のフォーマットのため、多くのミラーレスカメラ(フルサイズ・APS-C)で広く採用されています。
- バランスのいいフォーマットですが、デジタル映像機器ではフィットしないので、トリミング(クロップ)する必要があります。
4:3
- アナログ放送時代のテレビの標準フォーマット。現在もミラーレスカメラのマイクロフォーサーズ規格では、このアスペクト比が採用されています。
- ワイド感に乏しいが、編集時のトリミング(クロップ)を前提で考えれば、画面の上下にゆとりがあるので上下動のあるスポーツの収録撮影にはむしろ向いているといえるかも。
スクエア(1:1)
- インスタグラムで採用されているため、広く馴染みのあるものになった。多くの映像をギャラリービューで見せるときに見やすく、スマートフォンでの視聴に適しています。 デバイスのタテヨコに関係なく使えるメリットがあります。
- アクションカメラのセンサーに採用されてる場合もあるが、カメラのフォーマットとしては一般的ではないのでSNS以外では編集時にいずれかのフォーマットから加工する必要あります。※クロップの設定で撮影時からスクエアで撮影することもできる。
- アクションカメラのセンサーに採用されてる場合もあるが、カメラのフォーマットとしては一般的ではないのでSNS以外では編集時にいずれかのフォーマットから加工する必要あります。※クロップの設定で撮影時からスクエアで撮影することもできる。
4:5
- 特徴: 縦長でスマートフォンの画面に合わせたサイズ。Instagramのフィードでよく見る。インスタグラムの投稿、縦長の広告動画など。
- 縦長だが、スクエアに近いのでSNSとの親和性も高い。インスタグラムとTikTokを併用したいときには使い勝手がいい。
9:16(縦型)
- 特徴: スマートフォン全画面表示に最適化。特にTikTokやInstagram Reelsで人気。
- 適用シーン: TikTok、Instagram Reels、ストーリーズなどの縦型動画コンテンツ。
- TikTok、Instagram Reels、ストーリーズに特化したフォーマット。あるいは、街中で見られるデジタルサイネージ(動画看板)のような特殊フォーマットにも使いやすい。
シネマスクリーン
映画館で使用される大型のスクリーン向けで、映画の映像を視聴者に大迫力で提供する。アスペクト比は、2.35:1または2.39:1
映画以外には使われることのないフォーマット(映画館で上映される広告映像であっても使われることは少ない)ただし、WEBのバナー広告のような横長のフォーマットで動画を作るのであれば、この特殊なフォーマットも使い勝手はいいかもしれない。