ネットの使えない環境下での動画のプロモーションなどにおいて、広報活動でDVDを制作しなければいけない状況はあると思いますが、DVDの制作は、想像以上に困難です。設定が複雑であり、現在のハードウェア環境と比較してもかなり古い規格を扱う必要があるため、失敗が多く発生します。特に、以下のポイントには細心の注意を払う必要があります。編集作業は通常通りに行えば大丈夫ですが、書き出すファイル形式はかなり特殊です。ファイル書き出しからDVD焼付までの注意点をまとめました。NTSCとかピクセルアスペクト比、ビットレート、オーサリングなど、通常の動画制作では聞き慣れない言葉がいっぱい出てきます。
編集作業におけるシーケンスの設定
1. フレームレートと解像度
- フレームレート:NTSC方式の標準である29.97fpsを確実に設定。これにより映像のなめらかさが保たれます。
- 解像度:720x480pxがNTSCの標準。これにより適切な画質が保たれます。
2. ピクセルアスペクト比
- D1/DV NTSCワイドスクリーンの場合、ピクセルアスペクト比は1.2121。ワイドスクリーンフォーマットに適合し、画面表示が正確になります。
3. オーディオ設定
- サンプリングレートは48kHz以上、ビットレートは16ビット以上を目指すことで、より良い音質が得られます。
4. 書き出し形式
- MPEG2:DVDビデオの一般的なフォーマットです。現在主流と言えるMP4だと、オーサリングで再変換に伴う劣化が激しくなりやすいのでオススメしません。
5. ビットレートの調整
- ファイルサイズを4GB以下(片面4.7GBのディスクの場合)に収めるためにビットレートを調整。高いビットレートは画質を向上させるが、ファイルサイズも増加します。またオーサリングでファイルサイズが変動する場合があるので、4GBくらいでまとめておくのが無難です。あまり小さくすると画質劣化が起きます。
6. 収録時間
- 4.7GBのDVD-Rには120分などと書かれていますが、最高の条件で収録した場合の参考値程度に考えてください。4.7GBのディスクで70分程度までがある程度の画質を保った上で作成しやすい目安と考えてください。
オーサリング
オーサリングソフトでのDVD(BRD)焼付
- 書き出したファイルをオーサリングソフトにドラッグ&ドロップで入力。MPEG2形式で書き出すことで画質劣化を最小限に抑えます。
- タイトル画面の編集は、オーサリングソフトのメニュー編集画面で行います。
確認再生
- 焼き付けたディスクは必ず再生して確認してください。完璧な作業手順だったとしても、エラーが起きていることがあります。
- 確認は必ずプレーヤーでやること、パソコンはあらゆるフォーマットに対応しているためフォーマットの間違いを発見できません。
まとめ
以上のようなポイントに注意を払いながらも、不慣れな人にとっては非常に労働生産性が悪い作業です。時間的余裕がなければ、専門の業者に任せることをお勧めします。DVD制作は細部にわたる注意が必要であり、初中級者には難易度が高い作業であることを理解し、適切な対応を心がけることが重要です。