Logモード(ログモード)は、カメラの動画録画モードの一つで、映像のダイナミックレンジを最大限に活用することを目的としています。Logモードでは、カメラが捉えることができる明るい部分と暗い部分の情報をできるだけ多く記録し、後の編集(カラーグレーディング)で幅広い調整が可能になります。これにより、より表現豊かな映像制作が可能になります。とくに快晴(いわゆるピーカン)の影が非常に強い場所で撮影すると、明部と暗部の差が大きすぎて見づらい映像になってしまいますが、Logで撮影することで編集で適切なトーンに調整が可能になります。撮影時にトーンを調整してしまうHDRモードもありますが、編集で調整することは難しくなるので注意が必要です。
Logモードはよりハイレベルな動画制作を求める人向けの機能で、上級機限定の録画方式です。(メーカーによって呼称が異なります)
Logモードの主な特徴と利点
- 広いダイナミックレンジ
- Logモードは、カメラのセンサーが捉えられる最大限のダイナミックレンジを利用して録画します。これにより、明るい部分から暗い部分までの詳細を細かく記録できます。
- フラットな画像
- Logで撮影された映像は非常にフラット(コントラストが低い)で、未加工のような外見になります。これは後のカラーグレーディングで色彩を豊かにするためのものです。
- 柔軟なカラーグレーディング
- フラットな映像は編集時に色調や露出の調整に大きな柔軟性を提供します。これにより、映像の外観を大きく変えることができます。
- 高品質な映像表現
- Logモードで撮影された映像は、編集後に高い品質と表現力を持つ映像に仕上がります。
注意点
カラーグレーディングが必要Logで撮影された映像は、そのままでは平坦で生彩度が低いため、ポストプロダクションでのカラーグレーディングが不可欠です。適切な露出設定が重要Logモードでは露出設定が非常に重要です。適切な露出設定を行わないと、映像の品質が低下することがあります。高いデータレートLog録画は通常、より多くのデータを記録するため、ファイルサイズが大きくなります。Logモードは、特にプロの映像制作や高品質な映画制作において広く利用されており、クリエイティブな映像表現のための強力なツールです。しかし、その使用には適切な技術知識とポストプロダクションの工程が必要です。
HDRモード
- 特徴
HDRモードは、複数の露出レベルで撮影された映像を組み合わせることで、より広いダイナミックレンジを持つ映像を作成します。この技術は、特に明るい部分と暗い部分の両方に細部を保持することを目的としています。 - 用途
HDR映像は、より現実に近い、豊かな色彩とコントラストを提供します。視聴者により自然で生き生きとした映像体験を提供することができます。 - 適用シーン
HDR対応のディスプレイでの視聴や、豊かな色彩表現を必要とする映画やテレビ番組の制作。
総じて、Logモードは編集作業での創造的な柔軟性に焦点を当てており、HDRモードは視聴者に最適化された、よりダイナミックで色豊かな映像体験を提供することに重点を置いています。Logモードは編集でのカラーグレーディング前提のモードで、ファイルサイズも大きく扱いが難しくなるのでより高いレベルを求める上級者向けともいえます。