動画を見ていて、画面がガタガタとブレるのはじつに不快です。あまり酷いと動画を見るのをやめたくなるくらいです。今のカメラは何らかの手ぶれ補正機能がついている場合が多いのですが、簡易なものから精密なものまでじつに様々。そこで、カメラの手ブレ補正機能に関して、その種類と特性について詳しく説明します。主な手ブレ補正機能には、レンズ内手ぶれ補正、ボディ内手ぶれ補正、電子式手ぶれ補正があり、またジンバルも手ブレ補正の一形態といえます。カメラを選ぶときの参考にしてください。
レンズ内手ぶれ補正 (Optical Image Stabilization, OIS)
- 特徴: レンズ内部に組み込まれた手ぶれ補正機構が、カメラの動きを感知し、レンズ要素を動かしてそれを補正します。
- 長所: 光学式のため、画質の劣化が少なく、特に望遠撮影において有効です。
- 短所: すべてのレンズにこの機能が備わっているわけではなく、OIS搭載レンズは通常、より高価です。
ボディ内手ぶれ補正 (In-Body Image Stabilization, IBIS)
- 特徴: カメラ本体内に手ぶれ補正機構を搭載し、センサー自体を動かして手ブレを補正します。
- 長所: どのレンズを使用しても手ブレ補正が可能で、特にミラーレスカメラで一般的です。
- 短所: カメラ本体が高価になることがあり、また、IBISの効果はレンズの焦点距離によって異なります。
電子式手ぶれ補正 (Electronic Image Stabilization, EIS)
- 特徴: カメラのセンサーからの映像データをソフトウェア的に処理し、手ブレを補正します。
- 長所: カメラやレンズの機械的な変更が不要で、多くのデバイスで使用可能です。
- 短所: 画像のクロップ(画像の周辺が映らない)や品質の低下を引き起こすことがあります。
ジンバル (Gimbal Stabilizer)
- 特徴: カメラを安定した状態で保持し、スムーズな映像を撮影するための外部装置。
- 長所: 三軸の安定化により、非常に滑らかでプロフェッショナルな映像を実現します。
- 短所: 携帯性に欠けることがあり、設置と操作には練習が必要です。
総合的な選択
- 手ブレ補正機能の選択は、撮影する環境、被写体、撮影スタイルによって異なります。
- 高度な手ブレ補正を必要とする場合や、特に動きのある映像を撮影する際には、ボディ内手ぶれ補正やジンバルを検討すると良いでしょう。
- 一方で、低光環境や望遠撮影での静止画には、レンズ内手ぶれ補正が有効です。
編集作業での手ぶれ補正
- 編集ソフトによっては、エフェクトで手ブレを除去できるものもあります。ただし、映像解析に時間がかかりますし、映像が劣化するリスクもあるので、あくまで緊急避難的なものと考えてください。
カメラの手ブレ補正機能は、クリアで安定した映像を得るための重要な要素であり、撮影環境とニーズに合わせて最適なオプションを選択することが推奨されます。